2014.09.05 *Fri*

「神の家の災い」(修道士アセルスタン)

歴史修道会ミステリ「修道士アセルスタン」シリーズのご紹介です。

※「修道士アセルスタン」とは…
14世紀後半のロンドン・シティ。
ドミニコ会修道士のアセルスタンが、
検死官ジョン・クランストン卿と共に難事件を解決するミステリ。
アセルスタンは修道士ですが、検死官の書記も兼任しています。


神の家の災い」ポール・ドハティー 古賀弥生・訳(創元推理文庫)

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(2008/11)
ポール ドハティー

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 アセルスタンが修練期を過ごしたブラックフライアーズ修道院で、
 次々と修道士たちが謎の死を遂げる事件が発生し、
 アセルスタンと検死官クランストンが事件解明のために呼ばれる。

 一方、アセルスタンが司祭を務める聖アーコンウォルド教会では、
 奇跡を起こす謎の遺骨が見つかり、大騒ぎとなる。
 更に検死官クランストンは、
 政治的陰謀が絡む密室怪死事件の謎解きに巻き込まれる…


「修道士アセルスタン」シリーズの第三作、
原題は"Murder Most Holy"。
連続殺人事件・奇跡の検証・密室怪死事件…三つの謎解きミステリです。


主人公のアセルスタンは、ドミニコ会の修道士。
ある理由で修道院を出奔した過去があり、
現在は貧しい人々が住む下町の教区司祭を務めています。
天体観測が趣味で、猫のボナベンジャーを大切にしています。
また、教区民の美しい未亡人に淡い恋心を抱いていて、そのことに悩んでいます。
かつては腕のいい射手として戦場に赴いたこともありました。

相棒の検死官クランストンは、巨漢で大酒飲み。
愛妻家です。

検死官と聞くと組織の一部のような印象ですが、
クランストン卿は国王勅任の判事のようなポジションにいます。
捜査権があり、事件現場に居合わせた時は、その場で罰金を言い渡したりもします。
清廉潔白な人柄で、市民から信頼されています。


アセルスタン・シリーズの舞台は、14世紀後半のロンドン。
エドワード三世が亡くなり、幼いリチャード二世が英国国王となりました。
実権は摂政のジョン・オブ・ゴーントが握っているため、政情は不安定です。

リチャード二世やジョン・オブ・ゴーントが作品に登場するのも、
歴史ミステリの醍醐味ですね。
(日本では足利義満の頃の時代です)



*・゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。. .。.:*・゚・*



さて、シリーズの第一作は「毒杯の囀り」。

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原題は"The Nightingale Gallery"。
「小夜鳴き鳥の廊下」という、歩くと音が鳴る廊下が重要なポイントとなります。
作者のハーディング氏は、日本の「鴬張り」をヒントにしたそうです。

初めてアセルスタン・シリーズの第一作を読んだ時の第一印象は…
とにかく、ロンドン・シティが汚い&臭い…!
当時の街の喧騒や人々の営みが臨場感たっぷりに描写されていて、圧倒されました。

ところで、作中、クランストン卿が何回もアセルスタンを「修道士」と呼び、
その度にアセルスタンが「托鉢修道士です!」と訂正する場面があります。
修道士はモンク(monk)、托鉢修道士はフライア(friar)ですので、
日本語にすると何だかややこしくなりますよね。


第二作は「赤き死の訪れ」。

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原題は"The House of the Red Slayer"。
ロンドン塔が舞台の連続殺人事件に、
クランストンとアセルスタンが挑みます。

ロンドン塔と言えば、歴史的にも色々曰くがある場所ですので、
歴史ファンには興味深いのではないでしょうか。

騎士修道会も登場します。
強面(?)の騎士修道士相手に、
堂々と渡り合うアセルスタンが男前です。
アセルスタンも射手として戦場経験があるのですから、
負けていません。


さて、とても魅力的なアセルスタン・シリーズですが、
三作品しか刊行されていません。
原作は10作品あるのですが…

修道女フィデルマや修道士ファルコで「歴史修道会ミステリ」がブームになって、
いつの日かアセルスタンも続刊が出ますように!

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