2014.02.18 *Tue*

「あたまがいけ」

こどものともの今月号は、日本の昔話です。

あたまがいけ」日野十成・再話 斎藤隆夫・絵
 (こどものとも2014年3月号 福音館書店)

 昔、ある村に「ものぐさもくべえ」という男がいた。
 ある秋の日のこと。
 うまそうな柿が生っていたが、
 木に登って柿の実をとるのは面倒だ。
 そこで、柿の木の下に立ち、
 口を大きく開けて実が落ちてくるのを待った。

 柿は落ちてきたが、もくべえの口には入らず、
 頭の上に落ちた。
 やがて、もくべえの頭のてっぺんから、
 柿の芽が出た。
 芽は木となり、柿の実がどっさり実った。

 もくべえは町へ行き、
 柿を売って歩いて大儲け!

 が、「ものぐさもくべえが金儲けをするとはけしからん」と、
 怒った村人に頭の柿の木を切り倒されてしまう。

 ところが、頭に残った切り株に、
 キノコがたくさん生えてきた。

 キノコを売り歩き、
 もくべえはまた大儲け!

 それを面白く思わない村人は、
 またもや切り株を引っこ抜いてしまった。

 その後にできた穴に水が溜まって池となり、
 魚が泳ぎ出した。が…



ものぐさもくべえ」なのに、
モノグサじゃないじゃん!
商売上手じゃん!
という心の叫びはさておき。

日頃パッとしなかった人が、
何かをきっかけに突然、才能が花開く…
今も昔も、成功談に人は憧れるもの。

でも、それが元は凡庸な人物だった場合、
身近にいた人間は複雑な気持ちになるのかもしれませんね。
この物語にも、もくべえの成功をやっかみ、
妨害する村人たちの姿が描かれていて、考えさせられます。

i_ball02.jpg拍手&ランキングを押して下さる方
ありがとうございます! 励みになります♪


続き(Read More)で、
「あたまがいけ」「頭山」
「あたまにかきの木」の三つのお話を比べてみました。
ご興味のある方はどうぞ♪

物語の結末に触れていますので、
ネタバレNGの方はご注意下さい。

「あたまがいけ」「頭山」
「あたまにかきの木」の結末まで触れています。

ネタバレNGの方は、
ブラウザバックでお戻り下さい。







このお話は、落語の「頭山(あたまやま)」や、
絵本の「あたまにかきの木」に似ています。
リーフレットによれば、「あたまがいけ」が
「頭山」の原話のようです。


三つのお話を比べてみますね。
絵本の「あたまにかきの木」は数種類あり、
ラストがそれぞれ異なりますので、
私の手元にある教育画劇版をご紹介します。


あたまがいけ」日野十成・再話 斎藤隆夫・絵
 (こどものとも2014年3月号 福音館書店)

主人公:ものぐさもくべえ

・柿の実が頭に落ちて、柿の実が生る。柿を売って大儲け。

・怒った村人に木を切り倒され、残った切り株にキノコが生える。キノコを売る。

・今度は切り株を掘り起こされ、できた池に魚が泳ぐ。

・魚を食べに鴨がくる。

・鴨が眠ると、もくべえは鴨をつかまえる為、腰ひもに鴨を全て結びつける。

・鴨が起きて一斉に飛び立ち、ものぐさもくべえも一緒に空を飛ぶ。

・もくべえの行方は分からない。

村で暮らしていた時のもくべえは役立たずでしたが、
実は商才のある人で、町に出て大成功を収めます。
最後に欲をかきすぎたのが失敗だったかも?

でも、もくべえのことですから、
世界のどこかで大実業家になっているかもしれませんね。
(↑これは、私の妄想☆)



落語「頭山(あたまやま)」

主人公:気短な男

・サクランボを種ごと食べ、頭に大きな桜の木が生える。

・近所の人が頭の上で花見をして大騒ぎ。

・怒った男(主人公)が桜の木を引っこ抜くと、頭に大穴があく。

・大穴に水が溜まって池となる。

・近所の人が船で魚釣りをする。

・怒った男は、自分で自分の頭の池に身を投げ、死んでしまう。

ラストがSFのようですね!
あらすじは、ウィキペディアの「頭山」を参考にしました。



あたまにかきの木」小沢正・文 田島征三・絵(教育画劇)

あたまにかきの木 (日本の民話えほん)あたまにかきの木 (日本の民話えほん)
(1998/07)
小沢 正

商品詳細を見る


主人公:じろべえ(大酒のみ)

・酔い覚ましに柿の実を食べるが、種ごと食べてしまう。

・田んぼで稲刈りをしていると、頭のてっぺんから柿の芽が出て木となり、実が生る。

・村の茶店で柿の実を売って貰い、代わりにお酒を飲まして貰う。

・怒った柿売りに木を切り倒され、根っこだけに。根っこにキノコが生える。

・茶店でキノコを売って貰い、代わりにお酒。

・怒ったキノコ売りに根っこを掘り出され、残った穴に水が溜まって鯉が泳ぐ。

・茶店で鯉を売って貰い、代わりにお酒。

・怒った鯉売りが池を埋めてしまい、平たい土地になる。

・働き者のまめすけが、その土地で田んぼを作りたいと申し出る。

・毎年豊作続きで、じろべえはたくさん御礼を貰う。

・働かなくても良くなったじろべえは、朝から晩まで酒を飲んで寝て暮らした。

ここまで突き抜けたお話は、なかなか珍しいですよね。
(おはなし会で読むのが躊躇われるほど…)
大好きです☆



おまけで、徒然草から「堀池の僧正」です。

徒然草「堀池の僧正

主人公:良覚僧正(怒りっぽい)

・寺に大きな榎の木があったため、「榎木の僧正」とあだ名をつけられる。

・あだ名に怒った僧正は、木を切り倒す。

・切り株が残ったので、今度は「きりくいの僧正」と呼ばれる。

・怒って、今度は切り株を掘り起こした。

・あとには大きな堀ができた。

・「堀池の僧正」と呼ばれるようになった。


この後、僧正がどうしたのか、気(木)になります
色々調べると、面白いですね!
関連記事

COMMENT

miyazyy様へ
こんにちは♪

>「どうやったら人間の頭に木が生えるのか?」
確かに…!
スイカの種を食べると、おへそから芽が出ますよね。
柿の木は上へ上へと伸びて、
頭に生えてしまうのかもしれませんね。

>「池の底はどんななんだろう」
切り株を掘り起こすシーンは痛そうですよね。
池の底は――どうなっているのでしょう?
医学的に真面目に考察したら、面白いかもしれません。
それでは、楽しいコメントをありがとうございました♪
by 真雪 #5Y7l5AKQ
2014/02/20(木) 11:06 [Edit
こんにちは♪
この本は、私が子供心に「どうやったら人間の頭に木が生えるのか?」を真剣に考えた本でした(笑)。
池になった後は、「池の底はどんななんだろう」とか。
物語はどれも現実離れしているのに、今考えるとおかしいですね。
by miyazyy #Oy7yNCUI
2014/02/19(水) 11:16 [Edit

Comment Form


秘密にする
 


TRACKBACK

TrackBack List

落語の「頭山」の絵本です。 「あたま山」舟崎克彦・文 林恭三・絵(そうえん社) あたま山 (そうえんしゃ日本のえほん)(2008/03)舟崎 克彦商品詳細を見る  横丁のじんべえさんが上野の山にお花見にやってきた。  が、桜はすっかり散ったあとで、サクランボが木になっているばかり。  じんべえさんは、サクランボの実をむしゃむしゃと食べた。  やがて、種がじんべえさ...
2014/06/30(月) 14:06:43 | 月夜の青猫絵本箱 [Del


08
2
3
5
7
8
10
11
13
14
16
18
20
21
22
24
25
26
27
28
29
30
31

花が流れる水中時計

fc2ブログランキング

ブログランキングから退会致しました。
これまで応援ポチをして下さった皆様、
本当にありがとうございました!

検索フォーム

最新記事

カテゴリ

タグで検索

↑カテゴリー「絵本の感想」についているタグです。クリックで検索できます。(大まかな分類です)

最新コメント

リンク

プロフィール

真雪

Author:真雪
管理人の真雪(まゆき)です。
趣味はお人形の収集と
写真撮影です。
人形は本館「銀うさぎの庭」へ、
写真は別館「MoonFish」へどうぞ♪

◇当ブログはリンクフリーです。
(相互は募集しておりません)

★予告なく人形の写真を
アップする事があります。
人形が苦手な方はご注意下さい。


ブログ開設日:2009/07/03

管理人のホームページ

月夜の青猫
当ブログの倉庫サイト
絵本の本棚ではおはなし会向けの絵本をご紹介(現在133冊) 紙芝居(50冊以上)と中世ミステリのページもあります♪

ムーミンの小箱
ムーミンの小箱

銀うさぎの庭:本館
本館:お人形のサイト

MoonFish
別館:野の花の写真サイト

FC2カウンター

My本棚

月別アーカイブ

Copyright © 月夜の青猫絵本箱 All Rights Reserved.
テンプレート:サリイ (ブログ限定配布版 / 素材: BEE)