This Category : 舞台は修道院

2017.02.06 *Mon*

「古城ゲーム」

お正月に本屋さんで見つけて購入したサスペンスミステリです。


古城ゲーム」ウルズラ・ボツナンスキ(創元推理文庫)

←Amazonへ


 真面目な医学生のバスチアンは、ガールフレンドに誘われ、
 14世紀の暮らしを疑似体験するゲームに参加する。
 深い森の中で、参加者たちは文明の利器(携帯・メガネ・薬品類等々)を手放し、
 中世の騎士や魔女になりきって生活するのだ。

 だがその森には、呪われた怨霊が生贄を求めて彷徨っているという伝説があった。
 やがて、伝説の通り、参加者が一人また一人と失踪していくが…



いや~、私はとても中世では暮らせそうもありません!
色々無理だな~と実感できる小説でした(>_<)
中世ミステリは大好きですが、とにかく虫が苦手なので、本当に無理です。
文明の利器&衛生観念に万歳!

物語では、徐々に呪いの存在を信じる人と
信じない人たちの二つのグループに分かれていきます。
ホラー文庫ではないので、本気のお化けは出て来ないだろうと呑気に読みつつ、
実際にこういうシチュエーションに遭遇したら、
自分が理性を保てるか否か自信がありません…
物語上は更に複雑な思惑があるのですが、
これ以上はネタバレになりますので控えます。


このようなゲーム、大人の本格的な「ごっこ遊び」は、
ライブアクションロールプレイングゲーム(LARP)と呼ばれ、
ドイツ語圏では、年間500を超す催し(コンベンション)が開かれているそうです。
舞台設定も、ファンタジー、ヴァンパイヤもの、SFなど、色々。
特に中世を舞台にしたファンタジーものが人気とのことです。

作中のコンベンションはものすごく本格的ですが、
もっと(うんと)ライトなゆるいコンベンションなら、ちょっと参加してみたいですね。
自分は何に扮してみたいか考えてみました。
やはり、薬草園の修道士かな~
カドフェルに憧れるけど、薬草の知識が全くないから駄目ですけど…



*・゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。. .。.:*・゚・*



◇読んだ本
最後の秘境 東京藝大~天才たちのカオスな日常
 二宮敦人(新潮社)




◇2月の新刊
2月25日に「バチカン奇跡調査官」の新刊が出ますが、
同じ日に「ビブリア古書堂」の新刊(完結編)も出るそうです。
わくわく!



i_ball02.jpg拍手ありがとうございます! 励みになります♪

2016.02.26 *Fri*

「バチカン奇跡調査官 悪魔達の宴」

昨年(2015年)10月に発行されたバチカン奇跡調査官シリーズの第10弾です。

◇バチカン奇跡調査官シリーズとは…
 時代は現代。
 バチカンの奇跡を調査する部署に所属するフランシスコ会の二人の青年司祭、
 美貌の天才科学者・平賀神父と、古文書と暗号解読の専門家のロベルト神父が、
 世界中を飛び回り、難事件を解決します。


バチカン奇跡調査官 悪魔達の宴」藤木稟(角川ホラー文庫)

←Amazonへ


 悪魔祓い(エクソシスト)の補佐としてドイツ・ニュルンベルクに赴いたロベルトは、
 可憐な少女のすさまじい変貌を目の当たりにする。
 また、駅では連日同時刻に人が列車に飛び込むという原因不明の不審死が起きる。
 街で起きる数々の怪異は悪魔の仕業なのか?
 
 悪魔調査のため、ロベルトと合流した平賀は、
 悪魔の正体に科学的なアプローチを試みる。


ロベルトが主役のような雰囲気で始まりますが、
実は平賀の大活躍が見所です。

舞台がドイツということで、ナチス時代の暗い歴史や、
今まさにニュースで報道されている移民問題やテロ事件が扱われています。
シリーズの中でも、特に面白い一冊だと思いました。


◇購入した本

バチカン奇跡調査官 ソロモンの末裔」藤木稟(角川ホラー文庫)



2016年2月26日に発行されたバチカン奇跡調査官の第11弾です。

i_ball02.jpg拍手ありがとうございます! 励みになります♪

2015.11.30 *Mon*

「消えた修道士」(修道女フィデルマ)

今月(2015年11月)に刊行された、修道女フィデルマ・シリーズの第7巻です。


ネタバレNGの方はご注意下さい。





◇「修道女フィデルマ」シリーズとは…
 7世紀のアイルランドを舞台に、
 王の妹であり高位の弁護士資格を持つ美貌の修道女フィデルマが
 数々の難事件に挑む歴史ミステリー。


消えた修道士」(上下巻)
 ピーター・トレメイン著 甲斐萬里江・訳(創元推理文庫)

←Amazonへ

 666年9月。
 フィデルの兄・コルグー王が治めるモアン王国に、
 オー・フィジェンティの大族長ドネナッハが、和平協定のために訪れた。

 コルグーとドネナッハが王城へ向かう途中、二人は共に矢に撃たれた。
 王にも大族長にも命に別状はなかった。

 が、襲撃者がモアン王国の精鋭騎士団の徽章を身に着けていたことから、
 オー・フィジェンティ側は、これはモアン王国の陰謀であると主張。
 もし、コルグー王に責任ありとなれば、モアン王国は滅亡の危機に瀕する。
 コルグーは妹で高位の法律家でもあるシスター・フィデルマに、真相究明を託す。

 一方、同じ日の早暁、イムラックの大修道院では、聖アルバの聖遺物が盗まれる。
 聖遺物管理をしていたブラザー・モホタは失踪。
 彼の寝室は荒らされ、血痕が残されていた。
 聖アルバはモアン王国の守護聖人で、
 もし聖遺物が失われた時には、モアン王国は滅亡すると人々に堅く信じられていた。

 コルグーとドネナッハの暗殺未遂事件の調査のため、
 イムラックの大修道院を訪れたフィデルマとエイダルフは、
 失われた聖遺物の調査を依頼される。
 二つの難事件を解決するためにフィデルマに与えられた時間は、わずか9日間である。
 フィデルマは、モアン王国を救うことができるのか…?


本を手にして一番初めにしたこと。
それは、登場人物紹介にブラザー・エイダルフの名前があるかどうかです(*^_^*)

第7巻の「消えた修道士」は、フィデルマ・シリーズを
初めて読む方にとっても読みやすいのではないかと感じました。
まず、二つの事件が分かりやすい。
我らがエイダルフ君は、アイルランドのあれこれについてフィデルマに質問し、
読者の助けになってくれます。

そうそう、今回、エイダルフの名前の意味が分かります。
エイダルフ君、自分の名前に誇りを持っていますね!(詳細は本書で)
もちろん、ブラザー・エイダルフの格好良い見せ場もあります。

映像で見たい、と思わせる場面も多くあります。
冒頭の暗い修道院の場面とか、精鋭騎士団の隊列の様子とか…
まだまだありますが、ネタバレが過ぎってしまうので、この位で。

陰謀が複雑に絡み合い、誰が敵なのか味方なのか?
フィデルマは決められた期限内に事件を解決し、王国を滅亡から救う事はできるでしょうか?

ラストはとても気になるシーンで終わっています。
第8巻が非常に待ち遠しいです。 

i_ball02.jpg拍手ありがとうございます! 励みになります♪

2015.10.12 *Mon*

「修道女フィデルマ」の新刊が11月に♪

わ~い! 朗報です☆

「修道女フィデルマ」シリーズの新刊が11月に発行されます.゚ヽ(*´∀`)ノ゚.:。+゚

新刊(第7巻)のタイトルは、「消えた修道士」(上下巻)。

←Amazonへ




首を長~~~くして待っておりました♪(11月21日刊行予定)

「女医アデリア」シリーズの第4巻(事実上の最終巻)も
早く出ると良いですね。

しつこいですが、「修道士アセルスタン」シリーズはどうなのでしょう?
第3巻、本当に面白かったのに…
4巻以降がよほどダメな感じ(日本で売れない)なのでしょうか…?


気を取り直して――
「バチカン奇跡調査官」の新刊「悪魔達の宴」は10月24日発行予定、
「皆塵堂」の第6巻の「影憑き」は11月11日に発行予定。
楽しみです!




でも…、あっという間にみんな読み終わってしまって、
また「新刊まだ~!?」状態になるのですよね。
そうだ! 「十二国記」の新刊は、一体いつ出るのでしょう!?

i_ball02.jpg拍手ありがとうございます! 励みになります♪

◇FC2トラックバックテーマ「癒される瞬間は?」に投稿しました。
大好きな本を読んでいる時間は、癒しであり、幸せですね。


FC2トラックバックテーマ 第2025回 「癒やされる瞬間は?」


2015.09.20 *Sun*

「聖灰の暗号」

現代の歴史学者が中世の異端カタリ派の謎を追う、歴史サスペンスミステリです。

修道院が舞台ではありませんが、
主な登場人物の一人が14世紀のドミニコ会修道士です。


ネタバレNGの方はご注意下さい。






聖灰の暗号」帚木蓬生(新潮文庫)

←Amazonへ


 歴史学者の須貝彰は、南仏の図書館で中世の異端カタリ派に関する古文書を発見した。
 それは、ドミニコ会修道士が記録したカタリ派に関する希少な手稿だった。

 須貝は、精神科の女医・クリスティーヌと共にカタリ派の謎を追う。
 だが、須貝に関わった人々が次々に不審な死を遂げ…



物語は、須貝と14世紀のドミニコ会修道士レイモン・マルティの二人の視点から、
交互に描かれ進行します。

須貝彰は、歴史学者で、フランス語とオキシタン語に堪能。
レイモン・マルティが書き残した羊皮紙に秘められた暗号を解き、
更に、隠された手稿を発見すべく、カタリ派ゆかりの地を旅します。

一方のレイモン・マルティは14世紀のドミニコ会の修道士。
カタリ派信徒の話すオキシタン語と、教会の公用語のラテン語が堪能で、
異端審問の通訳を務めました。
カタリ派の聖職者や信徒と接する内に、
心情が変化し秘密の手稿を書き残しました。


13世紀の頃の南フランスでは、
異端とされていた「カタリ派」が広く信仰されていました。
ローマ教皇は、アルビジョワ十字軍を南フランスに派兵し、
カタリ派信徒に対する大虐殺が行われました。
1244年、カタリ派最後の拠点モンセギュールの山砦が陥落し、
多くのカタリ派信者が火刑に処せられました。
作中の古文書は、1316年に記されたことになっています。

カタリ派の信条・教義や迫害の実態を記録した古文書が公になることを恐れる「ある人々」によって、
関係者が次々に消されていきます。
これは怖い…




私も読みながら、秘密を知った一人として
消されてしまうのではないか…とびくびくしてしまいました(^_^;)
更に、親切な協力者の中に実は敵が紛れているのではないかと
疑心暗鬼になったり、ハラハラドキドキのし通しでした。

もちろん、作中に登場する古文書(手稿)はフィクションですから、
本作もフィクション。
秘密を知ったからといって、消されることはない筈…(多分)

◇こちらも中世の異端を描いたミステリです。→「われらの罪を許したまえ



i_ball02.jpg拍手ありがとうございます! 励みになります♪

13世紀後半の南フランス~ローマ教皇庁を舞台にした歴史ミステリです。ネタバレNGの方は、ご注意下さい。「我らの罪を許したまえ」ロマン・サルドゥ 山口羊子・訳(河出書房新社)←Amazonへ 1284年の冬、南フランスのドラガン司教区で、アカン司教が何者かに惨殺される。 助任司祭のシュケは、事件の真相と司教の過去を調べるため、パリへ向かう。 一方、事件後、ドラガン司教区に着任した青年司祭のアンノ・ギは、 「呪われ...
「われらの罪を許したまえ」


2015.09.10 *Thu*

「われらの罪を許したまえ」

13世紀後半の南フランス~ローマ教皇庁を舞台にした歴史ミステリです。

ネタバレNGの方は、ご注意下さい。





我らの罪を許したまえ」ロマン・サルドゥ 山口羊子・訳(河出書房新社)

←Amazonへ


 1284年の冬、南フランスのドラガン司教区で、アカン司教が何者かに惨殺される。
 助任司祭のシュケは、事件の真相と司教の過去を調べるため、パリへ向かう。

 一方、事件後、ドラガン司教区に着任した青年司祭のアンノ・ギは、
 「呪われた村」と呼ばれる村に潜入し、教会の教えを伝えようと力を尽くす。

 更に、元十字軍騎士の英雄アンゲラン・デュ・グランセリエと、
 その息子で不祥事を起こした修道院長のアイマールの二人が辿る道はどこへ到るのか。

 三つの運命が交錯するラストに待ち受ける事件とは?



いわゆる「ミステリ」と聞いて思い浮かべる展開とは、異なるかも。
異端審問とか、謎の組織とか…
怪しくて不気味な中世の魅力をたっぷり味わうことができます。
ただし、流血シーンが多めですので、耐性のない方はご注意下さい。


登場人物は、とても豪華(?)。

 司教
 司祭
 助任司祭
 異端審問官
 フランシスコ会修道士
 ドミニコ会修道士
 修道会院長
 女子修道会院長
 元十字軍騎士
 教皇
 ラテラノ宮殿の警護兵

実在するローマ教皇が登場した点は、驚きでした。
フィクションの筈なのですが…

さて、13世紀の頃の南フランスでは、
異端とされていた「カタリ派」が広く信仰されていました。
ローマ教皇インノケンティウス三世は、
アルビジョワ十字軍を南フランスに派兵しました。
1209年、十字軍によってペジエで大虐殺が行われました。
アルビジョワ十字軍の後は、ドミニコ会が異端審問官として権威を振るいました。
1244年、カタリ派最後の拠点モンセギュールの山砦が陥落し、
多くのカタリ派信者が火刑に処せられました。

こちらの小説の時代は、カタリ派の事件から約40年後ですが、
ドミニコ会による異端狩り・宗教裁判はまだ行われていた――そんな時代でした。


作中で、不祥事(と呼ぶには生温い陰惨な事件)を起こした修道院長が、
ある「処置」を受ける場面があります。
これって、当時の一般的な手法だったのでしょうか?
マインド・コントロールって、こうするのですね…
このような昔から人格をコントロールする方法が考案されていたことに驚きました。


陰鬱な事件で、ある意味、人間の内面を描いたホラーかも。
小説はフィクションですが、アルビジョワ十字軍による虐殺は歴史的事実。
背筋が冷たくなる…そんな物語でした。

で、結局「○○○事件」って何だったの…?

※「舞台は修道院」カテゴリに入れましたが、修道院の場面は一部のみです。

◇こちらは中世のカタリ派の謎を追うミステリです。→「聖灰の暗号



i_ball02.jpg拍手ありがとうございます! 励みになります♪

2015.09.01 *Tue*

「チューダー王朝弁護士 シャードレイク」

私は、修道士が探偵役のミステリが大好き♪
HPには「歴史修道会ミステリ」のページも作っています。
愛読書は「修道士カドフェル」です。

さて、色々探してはいるのですが、
最近はなかなか新たな修道士探偵には出会えません。

そこで、【探偵役が修道士でなくても、修道院が舞台ならOK】と、
網を広げたところ、先日は「女医アデリア」シリーズに出会うことができました。
アデリア・シリーズ、面白かったです(^-^)
(詳しくはこちらの記事へどうぞ→「エルサレムから来た悪魔」)


という訳で、今回は16世紀イングランドを舞台にした歴史ミステリ。
修道院で連続殺人事件が起きます。


以下、ネタバレNGの方は、ご注意下さい。





チューダー王朝弁護士 シャードレイク
 C.J.サンソム 越前敏弥・訳(集英社文庫)

←Amazonへ


 1537年初冬のイングランド。
 ローマ・カトリックからの離脱を宣言した国王ヘンリー八世は、
 修道院の解散を進めていた。
 当時の修道院はイングランドの土地の四分の一を所有していたので、
 修道院の解散はすなわち国庫を潤すことでもあった。

 国王の側近トマス・クロムウェル卿が修道院解体の指揮をとり、
 各地の修道院に監督官を派遣していた。
 が、聖ドナトゥス修道院(ベネディクト会)で、監督官が惨殺されるという事件が発生した。

 殺された監督官の後任として、
 弁護士のマシュー・シャードレイクが秘書のマークと共に
 聖ドナトゥス修道院へやってくる。

 一癖もふた癖もありそうな修道士たち。
 増える死体…



探偵役となるシャードレイクは、かなりの個性派です。
中年の弁護士で、背中に障碍があります。
権力者におもねる一方で、社会的弱者には強圧的な態度をとったりします。
コンプレックスが強く、若い女性に対してはセクハラまがいの言動も。

修道士フィデルマや女医アデリアは、「きゃ~、格好いい♪」ですが、
シャードレイクはドラマに登場する性格の悪い中間管理職のよう。
でも、事件を通して色々心情の変化があり、その辺りも面白く、読みごたえがあります。


さて、作品の時代背景ですが…
1534年、ヘンリー八世は自らをイングランド国教会の長であるとして、
ローマ・カトリックからの離脱を宣言。
1536年、ヘンリー八世の二番目の王妃アン・ブーリンが姦通罪で処刑されました。
1537年には、三番目の王妃ジェーン・シーモアが男子出産後の肥立ちが悪く死去しました。

こちらの小説は、ジェーン王妃が亡くなった直後のお話で、二人の王妃の謎も関わってきます。
(尚、アン・ブーリンの罪は冤罪であったというのが現在の通説のようです)


登場する修道士たちも個性派揃いです。
表面的には…でも、内面は…だったり。
あまり書くとネタバレが過ぎてしまいますが、なかなか魅力的な修道士もいます。
(この人が若かった時のスピンオフを読みたい♪)


ところで、聖ドナトゥス修道院はベネディクト会の修道院なのですが、
一人だけカルトゥジオ会の修道士がいます。(理由は作中で…)
表紙で、一人だけ白い修道服を着ていますが、その人です。

「カルトゥジオ(カルトジオ)会」――私は知らなかったので、少し調べてみました。
11世紀、ケルンのブルーノにより、
フランスのアルプス山中に「グランド・シャトルーズ修道院」が創建されました。
隠者のような修道生活で、世界一厳格な修道院と呼ばれています。


イングランドにおける修道院の解体について。
1536年に小修道院の解散法が、1539年に大修道院の解散法が成立。
1540年には、全ての修道院が姿を消しました。(建物も破壊されました)

ここで疑問に思ったのが、「カドフェル・ツアー」が行われているという修道院の存在。
ネットで聖堂の写真を見たこともあるので、疑問に感じて調べてみました。
シュルーズベリー修道院は1083年の設立。
ヘンリー八世によって破壊され、1800年代に復元されたそうです。
現存する建物は、カドフェルの時代のものではないのですね。


さて、シャードレイク・シリーズは、三冊が翻訳されています。
少し調べたところ、二巻以降は宗教色はあまりなさそうです。


ちなみに、マルティン・ルターらがカトリック教会に対する宗教改革運動を起こしたのが1517年以降。
イエズス会が創設されたのが1534年です。
この時代、政治的にも宗教的にも、混迷の時代だったのですね。

i_ball02.jpg拍手ありがとうございます! 励みになります♪

2015.08.15 *Sat*

「アーサー王の墓所の夢」

ミステリ小説「女医アデリア」シリーズの第3巻です。

※アデリア・シリーズについては、こちらの記事もどうぞ→「エルサレムから来た悪魔


ネタバレNGの方はご注意下さい。




アーサー王の墓所の夢」アリアナ・フランクリン著 吉澤康子・訳(創元推理文庫)

←Amazonへ


 1176年。大火で街ごと焼失したグラストンベリー大修道院の墓地から、
 二体の骨が掘り出された。
 それは、アーサー王と王妃グウィネヴィアの遺骨なのか?

 国王ヘンリー二世の命を受け、
 女医で検死官のアデリアが調査の為グラストンベリー大修道院に赴く。

 同行するのは、アデリアの幼い娘・アリー、
 アリーの乳母のギルサ、
 アデリアの召使でサラセン人のマンスール、
 そして、アデリアの友人のエマとその一行。

 だが、グラストンベリー大修道院では、多くの苦難がアデリアを待ち受けていた。
 更に、途中の道で別れたエマたちが目的地に着かず、
 行方不明となっていたことを知ったアデリアは…



いやはや。
突然発掘された遺骨がアーサー王の骨か否か調べろとは、
ヘンリー二世も無茶振りをしますね!
現代科学をもってしても鑑定できるのか疑問です。
でも、そこは我らがアデリア。
見事に解決できるでしょうか…?

今回、アデリアはいくたびも窮地に陥ります。
まるで、アクション映画を見ているよう。
ハラハラドキドキのし通しです。

まあ、自ら危地に飛び込んでいるようなところもあるのですが…
その点はフィデルマとちょっと似ていますね。


最近「アーサー王物語」を読み直したばかりですので、
より興味深かったです。

グラストンベリー大修道院は実在しますし、アーサー王のお墓もあるそうです。
その古墓が発見されたと発表があったのは、
リチャード獅子心王(ヘンリー二世の息子)の時代・1191年でした。

史実とフィクションと伝説を巧みに織り上げたミステリで、
一気に読んでしまいました♪


*・゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。. .。.:*・゚・*


第2巻は、ヘンリー二世の愛妾ロザムンドの毒殺事件です。


ロザムンドの死の迷宮」アリアナ・フランクリン著 吉澤康子・訳(創元推理文庫)

←Amazonへ


 迷路に囲まれた塔の一室で、
 ヘンリー二世の愛妾ロザムンドが毒殺された。

 最大の容疑者は、王妃エレアノール。
 それが事実なら、イングランドに再び内戦が起きることは必至。

 事件解明のため、アデリアが現地に呼ばれ…



迷宮と密室殺人事件の謎解きです。

あ、迷宮と迷路って異なるのですね。
こちらの本を読んで初めて知ったのですが、今一つ理解できないです(・_・;)

第3巻のご紹介でさらっと書いてしまいましたが、
今回アデリアは赤ちゃん連れです。
赤ちゃんがいることで、想定外の困難も発生します。
アデリアの娘ちゃんの成長も楽しみですね!
間違いなく天才だと思います♪


*・゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。. .。.:*・゚・*


大変残念ですが、作者のアリアナ・フランクリンさんは、
2011年に亡くなられたそうです。(享年77)

女医アデリア・シリーズは第4巻が最終巻となります。
アメリカでのタイトルは"The Assassin's Prayer"。
日本での出版を待ちたいと思います。

ちなみに、アデリア・シリーズ第1巻「エルサレムから来た悪魔」は、
「エリス・ピーターズ賞」を受賞しているとのこと。
エリス・ピーターズさんは、もちろん「修道士カドフェル」の作者さんです。

i_ball02.jpg拍手ありがとうございます! 励みになります♪

私は、修道士が探偵役の歴史ミステリが大好きです。HPには「歴史修道会ミステリ」のページも作っています。愛読書は「修道士カドフェル」シリーズです♪悩みは、中々条件をクリアした作品を見つけられないこと。が、最近、面白いミステリに出会いました!探偵役は女性検死官なのですが、なんと…容疑者の大半が司祭や修道士&修道女!ということで、「女医アデリア」シリーズ第1巻(上下巻)のご紹介です。ネタバレNGの方はご注意下...
「エルサレムから来た悪魔」


2015.08.13 *Thu*

「エルサレムから来た悪魔」

私は、修道士が探偵役の歴史ミステリが大好きです。
HPには「歴史修道会ミステリ」のページも作っています。
愛読書は「修道士カドフェル」シリーズです♪

悩みは、中々条件をクリアした作品を見つけられないこと。
が、最近、面白いミステリに出会いました!

探偵役は女性検死官なのですが、なんと…
容疑者の大半が司祭や修道士&修道女!

ということで、「女医アデリア」シリーズ第1巻(上下巻)のご紹介です。


ネタバレNGの方はご注意下さい。






エルサレムから来た悪魔」アリアナ・フランクリン著 吉澤康子・訳(創元推理文庫)

←Amazonへ


 1171年。イングランドのケンブリッジで、
 子どもを狙った連続誘拐殺人事件が起きた。
 嫌疑がユダヤ人に掛けられ、ユダヤ人への私刑や迫害が横行する。
 
 国王ヘンリー二世は、イタリアのシチリア国王に事件解決の協力を要請する。
 シチリア国王の命を受けてケンブリッジに派遣されたのは、
 ユダヤ人の調査官・ナポリのシモン、
 サレルノ医科大学で医学を学んだ女医で検死官のアデリア、
 そしてアデリアの召使いでサラセン人のマンスールの三人。

 シモンとアデリアは着々と調査を進め、次第に容疑者が絞られる。

 司祭、女子修道会院長、修道士と修道女たち、
 元十字軍兵士の騎士たち、そして王臣の税官吏…

 残虐な手口で次々と子供たちを殺害した悪魔は誰なのか?
 やがて、悪魔の手はアデリア一行にも迫り…



こちらの小説に興味を持ったきっかけは、
「修道士カドフェル」の後の時代を描いた小説だからです。

カドフェルの時代は、スティーブン王と女帝モードが王位を争う内戦が長く続きました。
アデリアの頃は、既に内戦に終止符が打たれ、
ヘンリー二世の治世下、17年間平和が続いていました。(1171年当時)

この時代、サレルノには世界最高の医学校があり、
世界各地から医学を学ぶ者たちが集まっていました。

アデリアも大学で医学を学び、学生たちを教え、
特に検死についての優秀な専門家でした。
そのため、王命を受けてナポリのシモンと共にケンブリッジにやってきたのです。

アデリアにとって不運なことに、当時のイングランドは女性の地位が低く、
女性が医術を行えば、魔女として宗教裁判にかけられて当然の社会でした。

アデリアがイングランドの医療水準の低さに呆れるシーンがありますが、
もしカドフェルと出会っていたらな~と想像してしまいます。
カドフェルは1080年生まれですので、1171年は91歳です。
可能性は0ではないですよね!

そうそう、女性のアデリアが派遣された理由は、
語学に堪能で、英語とヘブライ語が話せたからです。
その他に、フランス語・ラテン語・ギリシャ語・アラビア語を話すことができます。
まさにスーパーレディ!
修道女フィデルマとぜひお友達になって欲しいですね。
(さすがに7世紀と12世紀の人物では出会えませんが…)


聖人の遺骨の扱いについては驚きでした。
修道士ファルコのシリーズでは、まだ生きている司祭を殺害して
聖人に祭り上げようとする人々が出てきます。

こちらでは、殺された少年を如何にして聖人に仕立てるか…そんな計画が実行されます。
色々現代人には理解できない世界ですね。

←Amazonへ


さて、魅力的な人物が多く登場する本作ですが、
実は陰の主役と言って良いのが王様のヘンリー二世。
ラストのヘンリー二世の格好良さに、くらくら(笑)しました!
(多分、日本人のほとんどが好きな展開です。某国民的時代劇のようです♪)

史実とフィクションが絡み合い、
人間の心の闇を描いたスピード感溢れるミステリです。

i_ball02.jpg拍手ありがとうございます! 励みになります♪

◇アデリア・シリーズの第2巻・3巻の記事はこちらへ→「アーサー王の墓所の夢

2015.01.29 *Thu*

「サラディンの日」

私は中世の修道士が活躍するミステリが大好きで、
HPにリストアップもしています。
更なる作品を探してネットの海をさまよっていたところ、
騎士修道会が活躍する歴史漫画に出会いました♪

騎士修道会とは…
第1回十字軍(1096年)の終了後、聖地エルサレムの防衛と
巡礼者の保護・支援を目的として創設された、軍事力を備えた修道会。
清貧・従順・貞潔・兵役の誓いを立てている。


サラディンの日

サラディンの日 (秋田文庫)サラディンの日 (秋田文庫)
(2000/11)
青池 保子

商品詳細を見る


 1187年。
 テンプル騎士団のユーグとニコラ、
 ヨハネ騎士団のパオロの三人は、
 サラディンの襲撃から人々を救うため、
 ガザの街に使わされるが……
 「ハッティンの戦い」を描いた、歴史冒険漫画。


作者は、「修道士ファルコ」と同じ、青池保子さん。
ミステリではなく、歴史冒険漫画です。
十字軍とサラディン軍、そして騎士修道会の活躍が描かれていて、
とても興味深いです。

ブラザー・カドフェルは第1回十字軍に従軍経験がありますし、
ブラザー・アセルスタン・シリーズには修道騎士が登場します。
テンプル騎士団もヨハネ騎士団も有名ですが、
修道騎士が主役の物語は初めて読みました。

同時収録されている続編の「獅子心王リチャード」では、
第3回十字軍(1189年- 1192年)が舞台の物語が描かれていて、
実在の人物も多く登場します。
もちろん、ユーグとニコラとパオロの三人組も活躍します。

作者の青池保子さんの公式ホームページでは

「純真な十字軍戦士の中で、ちょっとはずれたお笑い三人組が、
真の三勇士となれるか!?」


と紹介されている作品ですが、
内容は非常にシリアスで考えさせられます。
(もちろんギャグシーンもあります)

ちなみに、テンプル騎士団の創設(1128年に教皇から認可)には、
ブラザー・ファルコが所属するシトー会が関わっています。

サラディンの日サラディンの日
(2013/10/11)
青池保子

商品詳細を見る


↑主人公のユーグ♪

◇歴史修道会ミステリのページはこちら→aicon_cat01.jpg


*・゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。. .。.:*・゚・*


さて、歴史修道会ミステリを探す中で、
色々面白い小説も見つけています♪


足のない獅子」「黄金の拍車」シリーズ 駒崎優(講談社X文庫)

足のない獅子 (講談社X文庫―ホワイトハート)足のない獅子 (講談社X文庫―ホワイトハート)
(1998/10)
駒崎 優

商品詳細を見る


舞台は13世紀イギリス。
イケメン青年騎士の二人組、
リチャードとギルフォードが様々な事件を解決する歴史ミステリ。
ティーンズ向け。

主な登場人物は架空ですが、歴史上の人物も登場します。
「足のない獅子」シリーズ(9作品)は二人の騎士見習い時代、
「黄金の拍車」シリーズ(6作品)は二人が騎士に叙任された後の物語です。

騎士という言葉は良く聞くけど、
実際に騎士になるにはどうするのかしら?
そんな素朴な疑問に答えてくれます。
見習い騎士の日々の生活が、意外で面白かったです。

美形のジョナサン司祭が、やや悪役気味のポジションで活躍します。
もう少し暗躍(?)してくれれば、歴史修道会リストに載せたいところでした。
更に、色々な小説に出て来るけど、今一つ実体の分からなかった「聖堂参事会」。
こちらの物語には、聖堂参事会の様子も描かれていて、
非常に興味深かったです。



バチカン奇跡調査官」シリーズ 藤木稟(角川ホラー文庫)

バチカン奇跡調査官    天使と悪魔のゲーム (角川ホラー文庫)バチカン奇跡調査官 天使と悪魔のゲーム (角川ホラー文庫)
(2012/12/25)
藤木 稟

商品詳細を見る


時代は現代。
バチカンの奇跡を調査する部署に所属するフランシスコ会の二人の司祭、
美貌の天才科学者・平賀神父と、古文書と暗号解読の専門家のロベルト神父が、
世界中を飛び回り、難事件を解決します。

現代物ですが、バチカンと司祭のキーワードで手に取りました。
ホラーミステリーです。
一番の魅力は、登場人物がステキなこと(^-^)

少し残念なのは、初期作品の頃、
カトリックで使う言葉の意味を、作者さんが勘違いしていらっしゃったこと。
ネットで調べればすぐに分かる言葉だけに、残念。
少しでもカトリックを知っていると、
初期作品では頭が「???」状態になるかもしれません。

バチカン奇跡調査官  千年王国のしらべ (角川ホラー文庫)バチカン奇跡調査官 千年王国のしらべ (角川ホラー文庫)
(2011/07/23)
藤木 稟

商品詳細を見る


↑シリーズの中では、「千年王国のしらべ」が一番好きです♪

i_ball02.jpg拍手&ランキングを押して下さる方ありがとうございます! 励みになります♪

06
2
4
6
7
9
11
12
14
17
18
19
21
23
24
26
27
28
29
30

fc2ブログランキング

ブログランキングから退会致しました。
これまで応援ポチをして下さった皆様、
本当にありがとうございました!

検索フォーム

最新記事

カテゴリ

タグで検索

↑カテゴリー「絵本の感想」についているタグです。クリックで検索できます。(大まかな分類です)

最新コメント

リンク

プロフィール

真雪

Author:真雪
管理人の真雪(まゆき)です。
趣味はお人形の収集と
写真撮影です。
人形は本館「銀うさぎの庭」へ、
写真は別館「MoonFish」へどうぞ♪

◇当ブログはリンクフリーです。
(相互は募集しておりません)

★予告なく人形の写真を
アップする事があります。
人形が苦手な方はご注意下さい。


ブログ開設日:2009/07/03

管理人のホームページ

月夜の青猫
当ブログの倉庫サイト
絵本の本棚ではおはなし会向けの絵本をご紹介(現在131冊) 紙芝居(50冊以上)と中世ミステリのページもあります♪

ムーミンの小箱
ムーミンの小箱

銀うさぎの庭:本館
本館:お人形のサイト

MoonFish
別館:野の花の写真サイト

FC2カウンター

My本棚

月別アーカイブ

Copyright © 月夜の青猫絵本箱 All Rights Reserved.
テンプレート:サリイ (ブログ限定配布版 / 素材: BEE)