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2018.10.30 *Tue*

『難民になったねこ クンクーシュ』

実話を元に描かれた絵本です。


難民になったねこ クンクーシュ
 マイン・ヴェンチューラ文 ベディ・グオ絵 中井はるの・訳(かもがわ出版)

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 2015年10月、ある家族が人で一杯のボートに乗っていた。
 母親と五人の子どもたちで、
 イラクの都市モスルから逃げてきたのだ。

 イスラム過激派がイラクの兵士と戦っていたため、
 爆撃や銃弾が飛び交っていたからだ。

 母親は二歳の猫クンクーシュを籠に入れていた。
 家からほとんど何も持ち出せなかったが、
 この猫だけはどうしてもおいて来れなかった。

 その家族が乗ったボートがギリシャのレスボス島に着いた時、
 猫はいなくなってしまった…
 
 家族は猫を探すのをあきらめ、次の難民キャンプへ移って行った。
 やがて猫は漁村で保護され、多くのボランティアがSNSを使って飼い主を捜した。

 そして2016年2月、ノルウェーに住んでいた飼い主の家族は、
 インターネット新聞とテレビのニュースでクンクーシュのことを知った。

 クンクーシュは優しい人々に出会い、
 5000キロも旅をし、ついに家族と再会したのだった。


世界中の人々が、一匹の猫と家族の為に協力したのですね。
SNSの力ってすごい!
インターネットがない頃でしたら、猫は家族と再会できなかったかもしれません。

その後、クンクーシュのぬいぐるみが製造・販売されるようになりました。
ぬいぐるみを作った難民は、売り上げの半分のお金を得ることができます。
ぬいぐるみには作った人のメッセージが付いていて、
買った人も難民を知るきっかけになります。

絵本の巻末には資料付きです。

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2018.09.25 *Tue*

『ユーゴ修道士と本を愛しすぎたクマ』

修道会が舞台の絵本です。


ユーゴ修道士と本を愛しすぎたクマ』ケイティ・ビービ文
 S.D.シンドラー絵 千葉茂樹・訳(光村教育図書)




 ユーゴ修道士は、聖アウグスティヌスの言葉が書かれた本を借りに、
 グランド・シャルトルーズ修道院へ向かった。
 四旬節の償いに、写本するためだ。
 
 熊に追われながらも、アヴェ・マリアの祈りを唱え、
 ユーゴ修道士は無事に本を借りて修道院に帰りついた。

 「どうやって、たった一人で写本を?」と
 ユーゴ修道士が途方に暮れていると、
 みんなが手伝ってくれた。

 羊の皮で羊皮紙を作ってくれる者、
 羊皮紙に罫線をひいてくれる者、
 がちょうの羽やインクをくれる者…

 写本は無事に出来上がり、
 ユーゴは再びグランド・シャトルーズ修道院へ、本を返すために向かう。
 が、クマが後を追い掛けてくるのだった…


中世の実話が元になっているそうです。
本がクマに食べられてしまうことって、本当にあるのでしょうか?
羊皮紙で出来ていますから、狙われたのでしょうか?
オオカミにも狙われそうですね。

こちらの絵本では、修道院の雰囲気や、
写本の作り方が詳しく描かれていて、とても興味深いです。

また、美しいイラストで、
中世の写本を見ているような気持ちになります。


*・゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。. .。.:*・゚・*


◇読んだ絵本(図書館利用)

6つの色』とだこうしろう(戸田デザイン研究室)




実物大!世界のどうぶつ絵本』ソフィー・ヘン作 藤田千枝・訳(あすなろ書房)



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◇追記(2018/9/29)

サイトの「歴史修道会ミステリ」のページに、
もう少し詳しい記事をアップしました。
ご興味のある方、こちらへ→『ユーゴ修道士と本を愛しすぎたクマ
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2018.09.01 *Sat*

購入した絵本(9月)

備忘録です。


ユーゴ修道士と本を愛しすぎたクマ』ケイティ・ビービ/文 S.D.シンドラー/絵
 千葉茂樹/訳(光村教育図書)

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2017.08.06 *Sun*

『ねこの看護師ラディ』

実話です。



ねこの看護師ラディ』渕上サトリーノ・文 上杉忠弘・絵(講談社)

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 雪の日に捨てられていた黒いオスの子猫。
 アニマルシェルター(動物保護施設)に連れて来られた時には、
 ほとんど死にかけていた。

 「少しでも楽に死なせてあげよう」と獣医さんが言った時、
 奇跡が起きた。
 その日から子猫は必死に立ち上がり、
 エサを食べるようになったのだ。

 子猫は、ラディ(ラデネメス)と名付けられ、
 三か月後にはすっかり元気になった。

 ある日、車にはねられた大きな犬が施設に運び込まれてきた。
 ラディは犬にそっと寄り添い、犬を抱きしめた。

 ある時は、ひどいやけどを負った大きなヘラジカが運び込まれた。
 ラディは、朝までヘラジカに体を摺り寄せて過ごした。
 ヘラジカはもう助からない運命だったが…

 施設には様々な動物がやってくる。
 何日も食べられなかった子猫。
 飛べなくなったフクロウ。
 車にはねられたリス。
 人間に傷つけられたジャーマン・シェパード。

 ラディがそこにいるだけで、傷ついた動物たちを穏やかな空気が包み、
 いやすのだった。
 ラディは猫の看護師として今日も働いている。



ラディは、2014年11月、ポーランド北部の町で保護された、
実在する黒猫です。
ラディの話題はインターネットで広がり、海外からの取材も来るようになりました。
心温まるお話です。


*・゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。. .。.:*・゚・*


◇読んだ児童書(図書館利用)

絵本 旅猫リポート』有川浩・文 村上勉・絵(文藝春秋)


 
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2017.08.04 *Fri*

『シュヴァル 夢の宮殿をたてた郵便配達夫』

フランスの郵便配達夫がたった一人で建てた「宮殿」。
TV番組「美の巨人」で紹介された絵本です。
実話です。



シュヴァル 夢の宮殿をたてた郵便配達夫』岡谷公二・文 山根秀信・絵(福音館書店)

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 今から100年ほど前、フランス南部のオートリーヴという小さな村に、
 一人の無口な郵便配達夫シュヴァルという人がいた。

 シュヴァルが43歳の時、配達の途中で不思議な形の石につまずいた。
 その日からシュヴァルは面白い形の石を集め始めた。
 シュヴァルの家の敷地は、集めてきた石で一杯になった。
 
 シュヴァルは建築の知識は全くなかったし、村人たちからは白い目で見られたが、
 たった一人で石を積み上げ続けた。
 
 そして、33年の歳月を掛け、
 シュヴァルの「理想宮」と名付けられた夢の宮殿が完成したのだった。



1912年に完成した宮殿の広さは約100坪、高さは約10m。
摩訶不思議な彫像が立ち並ぶ、古代の遺跡のような、
神秘的な寺院のような建物です。

1924年、シュヴァルは亡くなりました。
1937年にピカソが訪れ、絶賛しました。
1969年には、フランスの重要建造物に指定されました。


時代背景としては、植民地などの国々の情報がどっと入ってきたこと。
万国博覧会が開かれて、他国への憧れが掻き立てられたこと。
それらが、シュヴァルの想像力をさらに羽ばたかせたのでしょう。

「美の巨人たち ピカソ絶賛!郵便配達人が作り上げた夢の宮殿シュヴァルの理想宮」は、
テレビ東京で2017年6月17日に放送されました。



*・゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。. .。.:*・゚・*



◇読んだ絵本(図書館利用)

よしおくんがぎゅうにゅうをこぼしてしまったおはなし』及川賢治 竹内繭子(岩崎書店)


 
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2017.08.01 *Tue*

購入した絵本(8月)

備忘録です。


ねこの看護師ラディ』渕上サトリーノ・文 上杉忠弘・絵(講談社)

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2016.11.13 *Sun*

「読書介助犬オリビア」

ティーンズ向けのノンフィクションです。


読書介助犬オリビア」今西乃子・作 浜田一男・写真
 (青い鳥文庫 講談社 2009年9月発行)

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 ――ソルトレークシティ中央図書館では、
 お気に入りの犬と一緒に本を読むことができる――


 1998年に一匹の犬・オリビアから始まった、
 R.E.A.D(Reading Education Assistance Dogs=読書介助犬)プログラムについて
 書かれたノンフィクションです。

 子どもたちは、読書介助犬に本を読み聞かせ、
 犬は、本を読む子どもたちに寄り添います。
 何らかの理由で読書が困難な子どもたちの為に始まりました。

 犬は子どもが上手に朗読できなくても、決して笑いません。
 批判もしません。
 子どもたちは読書介助犬に朗読することで、
 自信を持つことができるようになるそうです。


「読書介助犬」という言葉を初めて知りました。
2009年現在、北米49州、カナダ3州で約2200のボランティア団体が活動しているそうです。
日本でも広がっていくかもしれませんね。

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tag :   社会  実話  学習  子育て

2015.12.24 *Thu*

「スワン~アンナ・パブロワのゆめ」

世界的に有名な名バレリーナ、アンナ・パブロワの伝記絵本です。

スワン~アンナ・パブロワのゆめ」ローレル・スナイダー文
 ジュリー・モースタッド絵 石津ちひろ・訳(BL出版)

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 ある雪の日の夜、幼いアンナはお母さんに連れられて劇場へ行きました。
 アンナが見たのは、バレエ〈眠れる森の美女〉でした。

 その日から、アンナはバレエに夢中になってしまいました。
 そして二年後、ついにアンナはバレエ学校に入学しました。
 
 厳しいレッスンを続け、
 アンナが舞台に立つ日がやってきました。
 アンナが踊り始めると、観客はうっとりとため息をつきました。
 アンナは、バレエを踊るために生まれてきたのです。

 やがて、〈瀕死の白鳥〉と共に、
 アンナは世界中に知られるようになります。

 アンナは、世界中で公演を行いました。
 あらゆるところ、深い森や小さな村、
 闘牛場やダンスホールでも、心を込めて踊りました。
 アンナの踊りを見た人々は、生きるための勇気を貰ったのです…



アンナ・パブロワは、1881年、貧しい清掃婦の母の許に生まれました。
生活はとても厳しかったそうです。
けれども、ある晩、母子はサンクトペテルブルクのマリンスキー劇場へ行き、
アンナは生まれて初めてバレエを見ました。

アンナは10歳でバレエ学校に入りました。
が、当時のバレエダンサーはたくましい体つきが理想とされていました。
華奢なアンナには、トウシューズで立ち続けることは困難でした。

それでもアンナは熱心に稽古をし、
自分の足に合わせてトウシューズを改良しました。
現代のバレリーナが履いているトウシューズは、
アンナが作ったものがモデルになっているそうです。

アンナは、「バレエは万人のためにある」と信じていました。
そのため、アンナは世界中のいたるところへ行き、バレエを踊りました。

巻末の「作者の言葉」から、一文を引用させて頂きます。

アンナのひたむきな生き方は、バレエをまったく無縁の子どもたちにも、
自分の夢に向かってつきすすんでいくことの大切さを、
教えてくれているような気がするのです。(「スワン」巻末の「作者の言葉」より)



子どもにも大人にも、おススメの絵本です。

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2015.07.05 *Sun*

「夢へ翔けて」

西アフリカのシェラレオネの戦争孤児だった少女が、
世界的なバレリーナになるまでの半生を描いた自伝(ノンフィクション)です。

「戦争孤児から世界的バレリーナへ 夢へ翔(か)けて
 ミケーラ・デプリンス著 田中奈津子・訳(ポプラ社)

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 マビンディ・バングラさんは1995年生まれ。
 シェラレオネの、裕福ではないが温かな家庭に生まれた。
 女の子は教育を受けられないのが一般的な地域だが、
 父親はマビンディさんに読み書きを教えた。

 だが、そんな平凡だが幸せな生活は、内戦の拡大によって一変する。
 「革命統一戦線」と名乗る反政府勢力(デビル)により父親は殺害され、母親は餓死する。
 マビンディさんは孤児院に収容された。
 孤児院での過酷な生活、職員による虐待…
 マビンディさんの心の支えは、
 アメリカ人ボランティアから貰った雑誌の表紙の美しいバレリーナの写真だった。

 4歳の時渡米し、アメリカ人夫婦の養女となる。
 温かい家庭で、マビンディさんはミケーラ・デプリンスとして第二の人生を歩み始める。
 やがてバレエを習い始めたミケーラさんは、黒人・皮膚にある白斑などの差別と偏見を乗り越え、
 その才能を開花させる。

 2011年、ドキュメンタリー映画「ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ!」に出演。
 2012年、「十八歳以下の十八人――年間最優秀ティーン」に選ばれる。
 この時の受賞者にはパキスタン人人権活動家マララ・ユスフザイさんもいる。
 その他にも「二十五歳以下の注目すべき若き女性たち」等々に選ばれている。
 現在はオランダ国立バレエ団に所属。



幼いマビンディさんが故郷で経験した出来事は、
日本人の私には想像もできないような、悲惨なものでした。
同じ地球上の出来事は思いたくない…
でも、それは現実なのです。

ミケーラさんのバレエは、
「ファースト・ポジション」ではない他のバレエ番組で見たことがありました。
黒人であること、衣装から出る場所に白斑があること…
でも、はつらつとバレエに打ち込む少女という印象でした。

ミケーラさんの養家では、西アフリカからミケーラさんを含めて
6人の女の子を養女に迎えています。
中には、内戦時に銃弾を頭に受けたために
ハンディキャップのある子どもが最初の養家で上手く行かず、
デプリンス家に迎えられたというケースもありました。
ご夫妻の5人のお子さんの内、二人の息子さんは血友病で、
薬害被害によるエイズで若くして亡くなっています。

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2014.08.09 *Sat*

「青い光が見えたから」

8月9日の今日は、故トーベ・ヤンソンさんの100回目のお誕生日、
ムーミンの日」です。
「ムーミンの日」にちなんで、こちらの本をご紹介します。


日本で生まれ育ち、ムーミン好きなごく普通の中学生が、
フィンランドの高校に留学し、更に大学へと進みました。
その四年間の高校生活の体験記です。

青い光が見えたから 16歳のフィンランド留学記」高橋絵里香(講談社)

青い光が見えたから 16歳のフィンランド留学記青い光が見えたから 16歳のフィンランド留学記
(2007/03/16)
高橋 絵里香

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著者の絵里香さんは1984年生まれ。
ムーミン童話を愛する普通の中学生でした。
しかし、中学で受けた心の傷がきっかけになり、
2000年8月に単身フィンランドの高校に入学します。
 
初めはほんの片言程度のフィンランド語しか話せなかった少女が、
現地の生徒たちと一緒に学びながら本来の自分を取り戻し、
そして優秀な成績で卒業しました。
もちろん、大変な努力があったことは言うまでもありません。

その後オウル大学に進学、
生物学を学ばれました。(現在もフィンランド在住)

フィンランド人の国民性と、
(日本人からみると)ユニークな教育体系が絵里香さんを励まし、
支えとなりました。

生き生きとした少女の物語(ノンフィクション)。
フィンランドの生の魅力をたっぷり味わえる一冊です。

大人が読んでも興味深いですが、中高校生さんにお薦めしたいです。

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